3種類の手術回避策
変形性股関節症の改善について、本やテレビでは様々な方法が紹介されています。
・ストレッチ
・体操
・水中歩行
・整体
・内服薬
・サプリメント
・健康グッズ
・手術
他にもまだまだありますが、これだけたくさんあるとどれに取り組んだらいいのかわかりませんよね。間違った選択をしてしまうと、症状が改善しないだけでなくどんどん悪化してしまいます。
「3年続けたけどダメで、もう手術しか道が残されてない…」
そんなことにならないように、いま自分が何をやればいいのか判断できるようになりましょう。
手術回避の取り組みは3種類に分類できる
1:痛みを緩和する応急処置
「痛みを何とかしたい」というのが、全ての変形性股関節症の患者さんに共通する願いだと思います。
そこで、とにかく痛みを「感じない」「緩和する」ことを最優先にするのが応急処置です。
・痛み止めの湿布や飲み薬
・ブロック注射(麻酔薬を直接患部に注射して、痛みに過敏になっている神経を落ち着かせる)
・温める
などが代表的です。
即効性があって、ひとまず痛みは緩和されますが、痛みの根源を取り除いているわけではありません。
応急処置をやめると、また痛くなってきてしまいます。
このままでは切りがありませんし、薬を使い続けると副作用があったり、だんだん効かなくなってきてしまいます。
ですので、こういった応急処置は、痛みの根源を取り去るのが難しかったり、時間がかかる場合の『時間稼ぎ』として活用することになります。
2:痛みの根源を取り去る
痛みから解放されるためには、応急処置だけではいけません。応急処置と同時進行で痛みの根源を取り除いていく必要があります。
変形性股関節症の痛みの根源には、股関節周辺の筋肉のコリや軟骨周辺の組織の損傷・炎症があります。
これらを取り除くのが、応急処置の次の取り組みです。
その中でも、股関節周辺の筋肉のコリは、変形性股関節症の初期から末期まで全ての段階で痛みを生じます。
股関節の運動に関わる筋肉は23種類もあるため、ほとんどの股関節の痛みには筋肉のコリが関わっています。
ですので、股関節周辺の筋肉のコリをほぐすことは、多くの場合痛みの根源を取り除くことにつながります。
しかし、これだけでは不十分です。
痛みの根源を取り除いたとしても、痛みの根源を生み出した根本的な原因を改善しておかなければ、また痛みの根源が再発してしまうからです。
そこで、3つ目の取り組みが必要になってきます。
3:痛みの根源を作り出す原因を取り除く
痛みの根源の代表格である「股関節周辺の筋肉のコリ」がある場合、日常生活の中で股関節に負担がかかっている可能性が高いです。
関節軟骨がすり減ってしまう原因も股関節への負担が大きな要因のひとつです。
つまり、股関節に負担をかけている動作の癖を矯正したり、日常生活の習慣を改善しなければ、痛みの根源は何度も再発してしまうことになります。
変形性股関節症の痛みを緩和して、症状の進行を食い止め、手術を回避するためには、痛みの根源を生み出す根本的な原因も取り除かなければならないのです。
このように、手術回避の取り組みは、その目的から3種類に分けることができます。
ただ、例えば筋肉のコリをほぐす施術は、痛みを取り除く応急処置であると同時に、痛みの根源を取り除く役割も果たしているので、必ずしもどれか1つだけに分類されるとは限りません。
とにかく大切なのは「痛みが取れればOK」とするのではなく、痛みの根源やさらにその先の根本原因を取り除くことにも目を向けるということです。
手術を回避する3つのステップ
以上をふまえると、手術回避への道のりは次のようになります。
ステップ1:応急処置で痛みを緩和する
ステップ2:痛みの根源を取り除く
ステップ3:根本原因を取り除いて再発を防止する
ここからひとつずつ詳しく解説していきます。